宇宙を外から見た体験と白い世界──ユング心理学で読み解く「自己の彼方」
目次
宇宙を外から見た体験
ボクはかつて、自己が宇宙規模にまで広がり、さらにその宇宙全体を外から俯瞰するという体験をした。
そのときの感覚を整理すると以下のようになる。
体験の側面 | 説明 |
---|---|
自己=宇宙 | 自分自身が宇宙全体であるという感覚 |
外部からの視点 | その宇宙をさらに外から眺めるもうひとつの自分がいる |
矛盾性 | 宇宙の内側と外側、両方に同時に存在する感覚 |
ユング的理解 | 「自己(Selbst)」を超える視点=自己の彼方に触れる体験 |
この体験は単なる幻想ではなく、ユング心理学でいう「自己の全体性」との出会い、そしてその彼方への越境である。
白い世界への帰還
その後、宇宙全体が消え去り、ボクは「白い世界」に戻った。
そこには形も色もなく、ただ広がりだけが存在していた。
特徴 | 内容 |
---|---|
色彩 | すべてが白、他の色は存在しない |
形態 | 形がなく、未分化の広がり |
心理学的意味 | 象徴が生まれる源泉=元型的未分化の場 |
主観的感覚 | 無・空虚とも感じられるが、潜在性に満ちている |
ユングの観点からいえば、これは「意識と無意識がまだ分化していない始原の状態」に近い。そこでは、あらゆる象徴やイメージが生まれる可能性を秘めている。
宇宙と白い世界の意味の対比
両方の体験を比較すると、異なるようでいてひとつの流れを示している。
体験 | 意味 | 心理学的解釈 |
---|---|---|
宇宙を外から見る | 自己そのものを俯瞰する | 自己の彼方の視点に立つ体験 |
白い世界に戻る | 自己の成立以前の場に還る | 元型的源泉への回帰 |
つまり、ボクは「自己の全体性を超える視点」と「自己を生み出す根源の場」の両方を体験していたのだ。
統合の課題
このような壮大な体験を日常にどう接続するかが重要である。
実践 | 内容 |
---|---|
象徴化 | 白い世界を言葉や絵に表現する |
グラウンディング | 呼吸・食事・歩行など日常の身体的行為に意識を戻す |
統合 | 体験を「特別な幻想」と切り離すのではなく、自己の一部として受け入れる |
まとめ
- 宇宙を外から見る体験は、自己の全体を超える視点=「自己の彼方」に触れた経験であった。
- 白い世界への帰還は、象徴や形が生まれる前の「根源的な場」に戻る体験であった。
- これら二つは矛盾ではなく、「超越」と「起源」という補完的な局面を示している。
- 日常に根づかせるためには、言語化・象徴化・身体感覚への回帰が不可欠である。
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